第6回
気になる人とこれからいい関係になりたい時にお勧めのCD
『バラード』 by ジョン・コルトレーン(インパルス)
今となっては昔の話ですが、当時好きだった彼女にその想いを伝えるためにドライブに行くことが決まり、BGMに何を使おうかと色々思案していた時に、当時師匠と崇めていた3つ上の先輩に教わったのがこのコルトレーンの『バラード』でした。六甲の夜景を見てそこから神戸方面に下りる途中で、先輩から借りてきたこのカセットをかけたのを今でも鮮明に覚えています。
この頃のコルトレーンは、ジャズ界ではようやく独自のポジションを確立した頃で、あっと言う間に駆け抜けてしまう彼の短い人生の中でも、ちょっとだけ自分を見つめて直す時期であったように思えます。こんなに優しいテナー・サックスの響きを聞くと、全速力で突っ走るのに疲れた自分に何かを語りかけたかったのではと思えるのです。だから、いつ聞いてもどこで聞いても多くの人の心の中心に沁み入る・・・。ほんとに不思議な力を持ったアルバムなのです。これもJAZZ音楽と言うジャンルを超えた、一流の芸術だけが持つパワーなのではと思います。
|
コラムニスト:善ちゃん |
|
1961年生まれ。フィナンシャルプランナー。旅行代理店、住宅メーカー勤務を経て、企業系FPとなる。妻と子ども2人、愛犬(テトラ)に囲まれて、Jazzを聴くのが至極の時間。他に、コーヒーを楽しむ、山登りなどの趣味を持つ。 |
|
|